テレビやコマーシャル等の影響により、比較的「UR賃貸」という単語が身近な存在になってきています。
名前はよく聞くけど、実際UR賃貸のメリットやデメリットは何だろう。そんな疑問を解決するべく、UR賃貸について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
UR賃貸住宅とは
UR賃貸住宅とは、都市再生機構が管理している公的な賃貸住宅の事を指します。もともとは戦後、住宅難になってしまった国民を少しでも減らそうと日本各地に団地を造り上げたのがはじまりです。
つまり、もともと営利を目的としない住宅であったため、細かな費用を削減することができるのです。
現在はは首都圏には約41万、全国に約74万戸ほどの物件を扱っています。
さまざまなニーズに沿った賃貸にするべく、それぞれ改装、リノベージョンを行っており、魅力的な賃貸を数多く兼ね備えているのです。
UR賃貸住宅のメリット
まずはUR賃貸住宅のメリットを確認していきましょう。民間賃貸とは異なるような特徴が数多く存在するのです。
・UR賃貸住宅のメリット①:費用が抑えられる
やはり、UR賃貸住宅の一番のメリットは細かな費用が抑えられるという点だといえるでしょう。UR賃貸住宅は、仲介会社を必要としておらず、借主と直接契約しています。
そのため、仲介手数料をはじめ、礼金、更新料、保証人は不要で、初期費用も比較的安く設定されているのです。
もちろん、仲介手数料や、初期費用が抑えられるという点もうれしいポイントですが、保証人や更新料等の面倒な手続きをする必要がないというのも、UR賃貸の良いところだといえるでしょう。
・UR賃貸住宅のメリット②:敷地や、部屋が広い物件が多い
UR賃貸住宅は、民間賃貸に比べて部屋が広い物件比較的多いです。都心近郊を開発してきた経緯があるため、敷地を広々と使用しているわけです。
UR賃貸住宅と聞くと、やはり団地ということもあって建物同士が固まっている印象があるかもしれませんが、実際そうではありません。
建物同士は、ゆとりをもって設計されているため、日当たりが悪いなんてことも起こりにくいのです。
・UR賃貸住宅のメリット③:無職でも入居することができる
賃貸を借りるには安定している収入が必要です
ただ、UR賃貸住宅では収入以外でも審査を受けることができます
- 家賃1年分前払い(一時払い制度)
- 家賃100倍の預貯金(貯蓄残高制度)
無職の方でも入居できますが、ある一定のお金が必要です
この制度のメリットとしては審査書類が身分証明書、住民票と提出する書類が最低限ですみます
自営業者・フリーランスの方にはおすすめの制度になります
・UR賃貸住宅のメリット④初期費用が安い
賃貸を借りるには通常家賃の3ヶ月分以上必要で、そのほとんどが戻ってこないお金です
UR賃貸住宅の場合は敷金2ヵ月と日割家賃のみですので圧倒的に初期費用の負担は少ないです
- 仲介手数料無料
- 礼金なし
- 更新料なし
- 火災保険は任意
- 鍵交換費用無料
- 家賃保証会社なし
一般的な賃貸はすべて必要になります
・UR賃貸住宅のメリット⑤敷金と礼金は違う
敷金と礼金の違いをご存じでしょうか?
敷金は預り金で礼金は家を貸してくれたお礼でお支払うお金です
UR賃貸の初期費用で必要な敷金は預り金ということになります
つまり、お部屋を綺麗に使うことで原状回復費がなければ、100%敷金は戻ってくるということになります
・UR賃貸住宅のメリット⑥連帯保証人不要
民法でも保証人に対しての責任が極度額を契約書に書かないといけなくなりました
極度額についてはいくらでも設定することができますが、簡単に連帯保証人にはならないほうがいいです
UR賃貸住宅では緊急連絡先ということで連絡のつく方をおひとり必要になりますが、決して保証人というわけではありません
・UR賃貸住宅のメリット⑦原状回復費が安い
賃貸で一番のトラブルが退去での原状回復費です
家主負担、入居者負担がでてきますが、原状回復費は入居者が負担するものです
あまり知らない管理会社の場合はこの判断がどうしてもフェアーではなく、原状回復費の単価も高く計算されがちです
国土交通省はこのようなトラブルを回避できるように、裁判の判例から原状回復のガイドラインを公開しております
UR賃貸ではこのガイドラインに基づいて計算されているので安心することができます
・UR賃貸住宅のメリット⑧UR賃貸住宅は、ほとんどリノベーションしている
確かにUR賃貸住宅は、建物が建ってから何十年もたっている物件が多く存在し、間取りも古い仕様であることが多いです。
しかし、現在のUR賃貸住宅のほとんどがリノベーションされていて、古さを全くと言っていいほど感じさせないような見た目になっています。
もちろん、コンセントの位置や、洗濯機の排水口がなかったりなど、新たに造ることができないようなものも存在しますが、比較的現在のニーズに合わせた仕上がりになっており、清潔感もかなりあります。
・UR賃貸住宅のメリット⑨ほとんどが鉄筋コンクリート造
建物の構造は防音、耐震など生活を快適にする重要な要素です
木造➡鉄骨➡鉄筋コンクリート
などと近所の音の響き方は軽減されるとしています
すべて鉄筋コンクリートの方がいいということになりますが、コストが高いという難点があります
また、阪神大震災の時もUR賃貸住宅の建物はほとんど倒壊しなかったということもあります
UR賃貸住宅のデメリット
これまでUR賃貸住宅のメリットについて解説してきましたが、もちろん
デメリットも存在します。
・UR賃貸住宅のデメリット①:審査が厳しく設定されている
主なUR賃貸住宅の審査基準は以下の通りです。
- 平均月収額が基準月収額以上ある
- 貯蓄額が基準値以上ある(借りる物件の家賃100倍以上)
細かいところをいえば他にも存在しますが、この2つが特に厳しいといえるでしょう。
因みに、家賃が62,500円未満の場合は、家賃のおよそ4倍以上の平均収入が基準月収額となっています。つまり、平均月収額が18万円だとすると、4万5000円以下の物件しか借りられないというわけです。
・UR賃貸住宅のデメリット②:古い物件が多い
UR賃貸住宅は、やはり何十年も昔に建てられた建物がおおよそを占めているため、古い賃貸は嫌という人にとっては、あまり良いことだとはいえないでしょう。
また、エレベーターが設備されていなかったり、エアコンを取り付けるための場所がなかったりと、今ではあたりまえのようなことも存在していなかったりするので、注意が必要です。
・UR賃貸住宅のデメリット③:ウォシュレットは無いので注意が必要
理由は定かではありませんが、リノベーションされた部屋であっても、UR賃貸住宅はウォッシュレット、つまり温水洗浄便座ではありません。
一応、自己負担で温水洗浄便座を購入したり、URに直接申請(これも費用がかかります)することもできますが、やはりウォシュレットが最初からついていないというのは、かなりの痛手だといえるでしょう。
また、トイレにコンセントすら存在しておらず、温水洗浄便座を後から取り付けるということすら叶わない事態も発生してしまう可能性もあります。予めコンセントの有無を確認しておきましょう。
まとめ
今回は、UR賃貸住宅について解説していきました。やはり人気なだけあって、比較的住む人にとって嬉しいメリットが数多く存在しています。
もちろん、デメリットも存在していますが、逆に言えばそのデメリットを妥協することができるのであれば、民間賃貸よりも優れた賃貸だといえるでしょう。
これから引っ越しを考えている人は、ぜひ選択肢にUR賃貸住宅を入れてみてはいかかでしょうか。